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行政書士試験に出題される憲法って、特に人権は、規定が少なく抽象的で難しいのではないでしょうか?
無暗に学説や判例の勉強をはじめると泥沼にはまるおそれがあります。
憲法は5肢択一式が5問(20点)、多肢選択式が1問(8点)、計28点、出題されます。行政書士試験が300点満点なので、そこまで配点が高い科目とは言えませんが、それでも法律科目のなかでは、3番目に高い配点なので、侮れません。
以下、憲法の概要を説明して、私が取った憲法・基礎法学の勉強法をご紹介いたします。
憲法の概要
憲法の国民主権、平和主義、基本的人権の尊重の憲法の三原則、国会、内閣、裁判所は、学生時代の授業やニュースでも話題になるものなので、ある程度は馴染みがあるはずです。
そして、憲法はすべての法令の基本となる法律です。他の法令を学ぶ上でも、この憲法を理解しておくことは、とても重要です。
ここで、憲法は、「総論」、「人権」、「統治」というように、大きく3分野に分かれています。
憲法総論および人権、統治とでは、後者の方が、覚えやすく条文を覚えていれば点に繋がりやすいの、時間がない方は、統治から勉強しましょう。ただし、時間がない方以外は、出題数の多いので、人権(および総論)を優先して勉強してください。
総論、人権
総論で問われるのは憲法の歴史や基本原理といった憲法の基本的な根本原理です。難易度が高く、問題数が少ないので優先順位は低いと考えます。
人権は基本的人権といって、表現の自由(憲法21条)など、国家権力により、個人の権利を守るかといった観点から規定されたものを学びます。
そして、人権は判例の知識が多く出題されます。人権関連の条文は抽象的なものが多いので、その点で判例(や学説(学説は複雑すぎるので判例から多く出る傾向))が内容を補完しているからです。
例えば、私が現在勉強してしている社労士において関係のある憲法第25条の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」は、堀木訴訟という判例で内容が補完されています。
「健康で文化的な最低限度の生活」なるものは、きわめて抽象的・相対的な概念であって、その具体的内容は、その時々における文化の発達の程度、経済的・社会的条件、一般的な国民生活の状況等との相関関係において判断決定されるべきものであるとともに、右規定を現実の立法として具体化するに当たつては、国の財政事情を無視することができず、また、多方面にわたる複雑多様な、しかも高度の専門技術的な考察とそれに基づいた政策的判断を必要とするものである。
堀木訴訟(最高裁判例昭和57年7月7日)
実際の試験では、見たことがない判例が出てくる場合もあります。その場合は、日ごろから、論点となる条文の趣旨、目的、背景を考えながら勉強した結果、答えを導き出せることが多かったですよ。
統治
統治は、「国会」、「内閣」、「司法」の3つに分けられます。条文知識そのものが出題されますので、つらいですが日頃から条文は暗記しておきましょう。「…出席議員の3分の2以上の多数…」など、細かいことを覚える必要もあります。ある意味、得点効率が良い分野になりますが、知らなければ、考えても解けませんので、確実に暗記したうえで、試験に臨みましょう。条文素読も効果的です。
令和3年第7問の国民投票制、 令和元年第7問の裁判官の懲戒の問題など、条文理解だけでは解けない問題もでているので注意が必要です。時間がない方は統治を優先に勉強しようと記載していますが、本来は満遍なく勉強することが望ましいですよ!
憲法のおすすめの勉強方法
基本的には、テキストを読んだ後、少しずつ肢別過去問集を読み進め、わからない点、不明点があったら、基本書を読み、ネットで調べるもので対応できると思います。
つまりここでも、過去問集中心の勉強です。 問題集の勉強は、ただ回すだけだと効果が薄いので、1回目は蛍光ペンなどで線を引かないで、2回目、3回目で回して覚えていないときに、蛍光ペンで線を引くなどとしていました。その他、何回も回しても覚えられないものは、それだけを抜き出したものを一覧化して、可視化しました。
また、憲法は、判例、条文の知識も必要です。判例は、以下の参考書でチェックし、条文は覚えるくらい暗唱しましょう。
スー過去(問題集)
公務員試験 新スーパー過去問ゼミは、公務員試験用の書籍ですが、結構利用しました。
要件がわかりやすく明確に記述されていて、頭の中が整理されるようでした。
肢別過去問で基礎を身に付けて、他にチャレンジをしたい場合は有用です。
判例の勉強法
これまで判例学習の重要性を記載していますが、判例の内容は、専門的用語が多く、言葉が固くなかなか読み込めませんよね。
このような場合は、文字で読んでいってもなかなか頭に残らないので、誰のどんな権利が害されて問題となり、その結果、裁判所はどのような判断をしたのかという、簡単な事案のイメージをつかむことが重要です。
このためには、判旨をしっかり読むことが必要です。
また、本試験では見たこともない判例がでてくることもあります。このような場合は元も子もないですが、日頃の学習の総合力で考えるしかありません。
ちなみに私の判例の勉強は、 みんなが欲しかった!行政書士の判例集(TAC)の憲法編のみ使用しました。これは、「事案」、「争点・結論」というかたちで、全体像の記載があり、前述のイメージをつかめるようにできておりますし、難解な判例もわかりやすく取り組めます。
試験の問題で「判例に照らし」と聞かれるケースが多くありますので、以下の書籍で勉強しておくことは、心の安定剤になりますよ。
学習期間
行政書士試験において、当然優先させるべきは、行政法、民法ですが、憲法もそれらと並行して少しずつ勉強した方が良いと考えます。他の教科の勉強の兼ね合いで、勉強量を調整しましょう。
2回目の試験の全体勉強時間(695時間)に対して、憲法(105時間)は15%の割合になります。 なお、1回目の試験は、45時間程度勉強していました。
基礎法学
基礎法学は5肢択一が2問(8点)出題されます。私は勉強しませんでしたし、本試験で点も取れませんでした。
問題も、奇を衒う感じですよね。こういう問題があるから行政書士試験全体で6割の点数がとれればよい試験も難しく感じます。
法学一般の幅広い知識の中から出題され、すべて勉強することは難しいので、過去問でしっかり傾向をつかんでおくことが重要です。
この傾向としては、裁判員制度、法令用語の出題率が多いようなので、合格革命 行政書士 肢別過去問集を中心に最低限勉強しましょう。
独学が難しい、絶対に受かりたいと思う場合には
仕事、就職や転職で必ず必要で独学では不安という場合には、ネット予備校を活用しても良いと思います。スタディングは価格も安く評判もいいため、講義を受講してみるのも良いでしょう。
まとめ
- 憲法・基礎法学は深入りすると泥沼なので、過去問集を中心に勉強しましょう。
- 憲法は、判例学習が重要です。事案のイメージをしながら勉強しましょう。
憲法、基礎法学は、法令の根本となる法律で重要ですが、以上のことを意識して深入りしすぎず勉強しましょう。
以上、ご拝読をありがとうございます。
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