【行政書士試験】覚えにくい民法を独学で勉強するためのおすすめの勉強方法

行政書士試験の科目勉強

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行政書士試験に出題される民法の内容って、少し身近ですけど、範囲が広そうで大変そうですよね?

民法は、5肢の択一式が9問(36点)、記述式が2問(40点)出題されます。その為、配点が300点満点中76点と行政法に次いだ配点となっており、行政書士試験において民法は、重要科目です。
また、法改正もあり民法は特に難化傾向です。そのため、学習に多くの時間を割くことが必要になります。

以下、私が民法の勉強法で考えたこと、意識していたことをご紹介をいたします。

この記事を読んでほしい人
  • 行政書士試験の勉強をはじめられた方
  • 行政書士試験の勉強をはじめたけどもまだまだ民法の勉強が不安な方

行政書士試験の民法概要

民法は、総則、物権、債権、親族・相続があります。

  • 総則 物権、債権、親族・相続に共通する規定を定めたもの
  • 物権 物に対する支配権利を定めたもの
  • 債権 特定の者に対して、請求できる権利を定めたもの
  • 親族・相続 親族、相続などの規定を定めたもの

試験では、債権からの出題が若干多いものの、満遍なく出題されています。

項目令和3年 令和2年 令和元年 平成30年平成29年
総則2問1問2問2問2問
物件2問2問3問2問2問
債権4問5問3問3問4問
親族・相続1問1問1問2問1問


条文数は1,050条あり、非常にボリュームのある法律となっていますが、私たちの生活上の権利関係を規律する重要な法律です。

かつての民法では、当事者のどちらが責任を負うのかという危険負担、物の個性に着目した場合の納品物の責任などで、疑義となる法律論がありましたが、2020年改正された民法では、それらが立法的に解決され、以前より私生活に沿うものになりました。

私が意識した民法勉強の考え方

その① 条文の理解

民法の勉強ではまず条文を理解することが最も重要で、覚えるというよりは、実際にその条文を理解していれば、回答できるものも多いです。

それなのに、どうして民法は点数を取るのが難しいのだろう?

これは、この行政書士試験が実務家登用のための試験ということに起因していると考えます。

つまり、実務家(私は資格の登録をしていないのに、偉そうですみません。)は、法令などを知っており、また知らなくても調べて、それを事案に当てはめることが重要になります。まさにこの能力が試験で試されているから難しいのです。

つまり、民法でいう理解は、法令の条文の趣旨、 目的、 背景、要件、効果などを暗記しつつ、事象にどのように適用されるか考えられるというものになると考えられます。

ただ、理解も難しいです。そのため、この条文はどういうときのために、作られたのだろうと疑問に思い、少しずつ覚え、考える努力をしましょう。

その② 当事者の権利関係

民法は、当事者の権利義務を規律する法律です。つまり、勉強法は、「誰」が、「誰」に対して、「いつ」、「なんの」、「どのように」などの5W1Hになるのかを意識して、勉強すればよいです。

なお、当事者関係が複雑でわかりにくいときもあります。その場合は、登場人物間の関係図を描くことをおすすめします。

おろそかにしがちだけど、実際の問題の事案では、権利の得喪、権利の順位、請求権の時効に関する問題などで、条文の理解における「いつ」(時系列の整理)が重要になりますよ!

民法のおすすめの勉強方法

テキストを読み、肢別過去問集で基礎を固めるのがじめの一歩です。この問題集は5回転はしました(回数ではなく実際に身についたかが重要です。)。

そのうえで、わからない点、不明点があったら、テキストを読み、ネットで調べました。ネットで調べることでかなり知識を得られます。

私の勉強は、ただ回すだけだと効果が薄いので、1回目は蛍光ペンなどで線を引かないで、2回目、3回目以降は回して覚えていないものに、蛍光ペンで線を引くなどとしていました。その他、何回も回しても覚えられないものは、それだけを抜き出したものを一覧化して、可視化しました。

勉強のフロー

民法は、具体的に以下を意識して勉強してください。

法律用語の定義を覚えること

用語は、その定義をしっかり覚えましょう。ただ、私はなかなか覚えられなく苦労しました。

条文の趣旨、目的、背景、要件、効果を覚え、理解すること

民法の試験問題は、条文や判例に照らしてその正誤を選択させる問題が多いです。しかし、条文数が1,000以上もある民法の規定を覚えるのは、とても非効率で難しいです。

そこで、条文の趣旨、目的、背景(なぜその規定があるのか。)、要件、効果を理解すれば、内容を思い出しやすくなります。また、民法は当事者の公平を図る法律だという視点があれば、理解も進みます!

第三者が登場する場合があること

例えば、第94条で、当初の当事者以外の「第三者」が登場する規定があります。当たり前のことで、私生活上においても、第三者が事案に巻き込まれることは多々あり、民法は、当事者を犠牲にしても、この第三者に配慮する場合を定めているのです。

なお、民法第94条は、簡単に言うと、虚偽表示といって、本来の権利関係とは異なる法律関係を関係者で作り出した場合が論点となります。
そして、ここでいう「第三者」はその法律関係を前提として新たに法律関係に加わった人を言います。

この「第三者」は、一定の条件を満たした簡単に言えば、可哀そうな人の場合は、法律上、保護をする必要があり、行政書士試験上も論点となることが多いです!

他の規定においても「第三者」は登場するので、気を付けましょう。

問題を解くときに当事者関係がわからないとき

問題を解いているときに当事者関係がつかみにくいときは、以下のように図を描いてみましょう。

令和2年(問33 民法)
A所有の甲土地をBに対して建物所有の目的で賃貸する旨の賃貸借契約(以下、「本件賃貸借契約」という。)が締結され、Bが甲土地上に乙建物を建築して建物所有権保存登記をした後、AがCに甲土地を売却した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

一般社団法人行政書士試験研究センターのHPから

実際の試験で、設問の内容がわからければ、登場人物の関係図を書いてみると、
互いの権利関係、論点や時系列が可視化されてわかりやすくなります

記憶の定着のため

勉強の範囲が広いため、記憶がうまくいきませんでした。そのため、民法は、総則、物権、債権、親族・相続と別れているものの、それでも範囲が広いので例えば債権の中でも、第一章の総則、第二章の契約…と分野が分かれており、その細分化した分野ごとに勉強を繰り返して、ある程度できたら、次の分野というように繰り返すことで、記憶の定着をしていきました。

スー過去(問題集)

公務員試験 新スーパー過去問ゼミは、公務員試験用の書籍ですが、難易度が似通っていて、とても評判がよいです。

私も利用していました。

肢別過去問で基礎を身に付けて、他にチャレンジをしたい場合は有用です。あくまでも基礎が重要ですので、余裕があったらで良いでしょう。

記述式問題の対策方法

試験委員もうまく過去の問題を外して出題しますが、記述式問題専用の勉強は、択一式問題で、条文中心の勉強をしていたら、次第に解けるようになると考えます。

それでも解けない場合は、条文の理解、記憶があまいことが考えられますので、基礎からじっくり勉強してください!

ただし、記述式40文字に抑えなければならなかったり、問われ方も、行政書士特有の癖がありますので、過去問は見ておきましょう。記述問題はこちらでご紹介をしています。

司法試験用の択一六法の活用

何か調べものをしたくなったときに、司法試験&予備試験 完全整理択一六法 民法(東京リーガルマインド)を辞書的に使っていました。簡潔に目的、背景、要件、効果、判例の記載があります。ものすごく参考にになりました。仕事中においてもよく使用しました。

以下のとおり、この書籍では、深入りしないように覚えたいところだけ蛍光ペンで線を引いて、後ほど覚えていくものでした。

この参考書は司法試験用のものなので、深入りしないようにしましょう。深入りすると時間の無駄になるおそれがありますよ。

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 私の勉強時間

2回目の試験の全体勉強時間(695時間)に対して、民法(255時間)は37%の割合になります。 行政法同様に主要科目なのでそこそこ時間かけていますね。なお、1回目の試験は、70時間程度勉強していました。

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仕事、就職や転職で必ず必要で独学では不安という場合には、ネット予備校を活用しても良いと思います。スタディングは価格も安く評判もいいため、講義を受講してみるのも良いでしょう。

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まとめ

  • 行政書士試験の中では、行政法に次ぐ配点で重要な科目です。
  • 民法も 条文の趣旨、目的、背景、要件、効果を理解が重要です。過去問題集を中心にコツコツ繰り返し勉強を積み重ねましょう。
  • 当事者の権利関係だけではなく、第三者の権利にも配慮する必要があります。
  • 当事者関係が複雑であれば図で表してみましょう。

民法は身近で親しみやすいですが、範囲が膨大で勉強が難しいので、以上のことを意識して勉強しましょう。

以上、ご拝読ありがとうございます。なお、行政書士試験のおすすめテキスト・問題集行政法憲法商・会記述問題一般常識の記事で、個別に使った書籍をご紹介しております。

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