ご訪問をありがとうございます。ホフクです。
私は、会社勤めをする中で、これだけ権利関係にあふれた社会で、特許権、実用新案権、著作権など最低限の学習はしなければいけないと考え、知的財産管理技能検定2級の試験を受け合格しました。
ご訪問された方は、前述の理由、その他の理由で受験されると思いますが、2級を勉強される方は、3級の勉強(合格)をしているものの、どのように勉強してよいか迷っているのではないでしょうか?
そこで、この記事では、知的財産管理技能検定2級の勉強方法および試験の概要を説明していきます。
勉強方法
おすすめ勉強法
この試験は、合格のボーダーが高い上、以外に範囲が広いので、問題集と並行して、細かいことが載っているテキストを並行して読み進めるのがおすすめです。
実際に私が独学で知的財産管理技能検定2級の合格をした勉強法は、知的財産管理技能検定2級スピードテキスト(TAC)を読んで、 知的財産管理技能検定2級スピード問題集(TAC) を解くというものでした。
そのうえで、知的財産管理技能検定2級は細かい知識が出題されるので、それに対応できる知的財産管理技能検定2級 完全マスター(アップロード)を使って勉強を進めていきました。
勉強の手順は具体的には以下のとおりです。
- テキストを1回読む。
- 改めてテキストを読みつつ、テキストの章(またはページ数)と対応する問題集の章を解く。
- くわしい内容が記載される知識補完用のテキストを読み、知識を補完する。
- 2と3を繰り返しして勉強する
- 覚えきれない論点を一覧化して、それをひたすら繰り返す。
繰り返し勉強するときの注意点
1回目のテキスト読み、問題集を解くことはざっと内容を把握することに注力ください。
その後、テキストを確認しつつ、問題集を解くときに、理解が足りない点、覚えきれていない点をあぶり出しつつ、そこを重点的に繰り返し勉強するのがおすすめです。
問題集をひととおりやったら、再度、はじめのページから最後のページまで繰り返すのでは効率が悪いため、理解していない点、覚えきれていない点などの弱点のあぶり出しおよびその箇所の短いスパンでの繰り返しは必須です!例えば、著作権の種類が覚えきれていないからその箇所、著作権が記載されている問題集の○ページから○ページなど
以下の合格証のとおり、この勉強法で合格しています。
科目別勉強法など
■特許法、実用新案法
特許法が、この試験の中核であり、特許法に関しては、内容、手続き以外にも、ビジネス上の特許戦略、パテントマップや特許権の調査方法、特許権の侵害があった場合の対応方法など、勉強の範囲は広いので重点的に勉強しなければなりません。なお、実用新案法は、特許法と類似点がありますが、特許法ほどの勉強量はありません。
■意匠法、商標法
意匠法、商標法は、特許権や著作権と比べれば、その範囲、重要性は劣るかもしれませんが、内容、手続き、他の法令との関係など、こちらも満遍なく出題されるので、手を抜かずに勉強しましょう。
■著作権法
著作権法は、個人の思想や感情を表したものであり、身近に発生する権利のためとても重要です。権利内容にしても、著作人格権、同一性保持権、公表権、複製権というコアな権利から、さらに二次著作権、編集著作物など権利の内容がかなりのボリュームがあり複雑です。そのようなところがしっかり出題してくるので、地道に勉強しましょう。
■条約・民法・種苗法など
知的財産に関連する各法令の出題において、条約では国際特許出願、パリ条約、マドリッド協定など、その他の民法、種苗法など、関係する法令は、容赦なく出題されます。根気強く勉強しましょう。
2級くらいの試験では、論点を絞って勉強できるのではないの?と思うかもしれませんが、この試験は、細かい論点も出題されるので、すべて手を抜かずに頑張りましょう! 現在の試験は相当前の試験と比べて、偏りがなく出題される印象です。
- 過去似たような問題が繰り返し出題されますので、問題集を繰り返し解いて覚えていくことで出題傾向を掴むことが出来ること
- 手続き、内容における類似点は比較表など(おすすめするテキストや問題集に大体の記載がありますのでご確認ください)を作ることで対策を練ることができます。
おすすめのテキストと問題集
基礎段階で使用するおすすめのテキスト
私が独学で知的財産管理技能検定2級の合格に使用したテキストは、 知的財産管理技能検定(R) 2級スピードテキスト(早稲田経営出版)です。
重要なことが端的に記載されており、基本的な内容が必要十分に記載されていること
おすすめの問題集
知的財産管理技能検定(R) 2級スピード問題集(早稲田経営出版)は過去の問題の分析により、効率よく勉強できると思います。
私はこの問題集がなければ合格できることはできませんでした。この試験の傾向がちゃんと反映されて良問が掲載されていると思います。
- 予想問題と過去問で構成されており、試験内容の把握には十分であること
- 論点の比較表も記載されており勉強の助けになること
- スピードテキストの解説番号が記載されているので、スピードテキストの復習も楽であること
知識補完用のおすすめのテキスト
細かい知識がでますので、その知識の補完用として、 知的財産管理技能検定2級 完全マスター(アップロード)を使用しました。最近の試験は細かいところまで出題されるので、このテキストも勉強しておきたいところです。
条文などをベースに内容が記載されおり、判例、審査基準など細かい論点も収録されているので、十分な知識を得られること
独学が難しい、絶対に受かりたいと思う場合には
仕事、就職や転職で必ず必要で独学では不安という場合には、ネット予備校を活用しても良いと思います。スタディングは2万円以下と安くて評判もいいため、講義を受講してみるのも良いでしょう。
合格までの勉強時間
勉強時間は、50時間程度と言われています。ただ、実務経験があるか、問題形式の得手不得手などで時間に大きな変動が出ると思われます。
ちなみに私は60時間程度かかり、結構苦戦しました。知識の詰込みが甘く実技が難しかったです。
合格後はどうなったのか
知的財産管理技能検定2級に受かった結果、日常、SNSや仕事で扱う知的財産の理解が進みましたし、仕事においても弁理士とのやり取りで、最低限の知識を持っているため、円滑なやり取りができたと思います。
検定試験の概要
2級合格者の能力
2級の合格者は、知的財産教育協会によると技能検定の合格に必要な技能およびこれに関する知識の程度は以下のとおりとのことです。
知的財産管理の職種における中級の技能者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度(知的財産管理に関する業務上の課題を発見し、大企業においては知的財産管理の技能及び知識を有する上司の指導の下で、又、中小・ベンチャー企業においては外部専門家等と連携して、その課題を解決でき、一部は自律的に解決できる技能及びこれに関する基本的な知識の程度)を基準とする。
知的財産教育協会のHPから
受験資格
2級の受験資格は、以下のとおりです。
- 知的財産に関する業務について2年以上の実務経験を有する者
※実務経験の内容 - 3級技能検定の合格者
※一般的には、2級受験者はこのパターンではないかと思います(私もそうでした)。 - 学校教育法による大学又は大学院において検定職種に関する科目について10単位以上を修得した者
- ビジネス著作権検定上級の合格者
- 級技能検定の一部合格者(学科または実技いずれか一方の試験のみの合格者※いずれかの合格年のよく翌年度まで)
試験形式
試験の種類 | 形式 | 問題数 | 試験時間 | 合格点 |
---|---|---|---|---|
学科試験 | 5肢マークシート | 40問 | 60分 | 80%以上 |
実技試験 | 記述方式 | 40問 | 60分 | 80%以上 |
試験内容は、学科と実技の試験に分かれていますが、学科は全てマークシートで、実技はマークシートと記述問題です。実技と言っても事例問題を解くものになります。
学科、実技ともに受からないと、この試験に合格したことにはなりません。
また、80%以上取らなければならなく、正確な知識が広く求められますので、きつかったです。
試験科目
①特許権 自然法則を利用した、新規かつ高度で産業上利用可能な発明の保護する権利
②実用新案権 物品の形状、構造、組合せに関する考案を保護する権利
③意匠権 独創的で美感を有する物品の形状、模様、色彩等のデザインを保護する権利
④商標権 商品・サービスを区別するために使用するマーク(文字、図形など)を保護する権利
⑤著作権 作者の思想や感情が表現を保護する権利
⑥その他民法、不正競争防止法、種苗法など
※①から④の産業知的財産権につき 特許庁HPから
受験スケジュール
年に3回試験があります。3月、7月、11月開催されています。
受験料
学科試験8,200円
実技試験8,200円
※このほか手数料がかかります。
合格率
知的財産技能検定2級の合格率は、以下のとおり学科、実技とでそれぞれ40%程度( 知的財産教育協会のHP資料のデータから表にしたものです)です。
試験概要の詳細
試験概要の詳細は、知的財産教育協会のHPをご確認ください。
全体のまとめ
社会的にも知的財産権の知識を求められているため、自分自身の役に立つと考えられます。また、この試験をとおして、適性があれば、知的財産管理技能検定1級、弁理士を目指すことも考えられ、その試金石になると考えます。
知的財産管理技能検定は、少しマイナーかもしれませんが、現代では、必須の知識と言え、勉強しておいて、損はないと考えます。
以上、ご拝読をありがとうございます。
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